石川啄木が釧路駅に降り立ったのは明治41年1月21日の夜でした。
 啄木は釧路新聞の新聞記者として76日間滞在し、その後、船で釧路を後にしました。

港文館は、石川啄木が勤務した旧釧路新聞社を復元し、市民の憩いの場として建てられました。

釧路停車場跡に立っていたものを港文館横へ移設しました。
台座には、恋人の小奴の手による「さいはての〜」の歌が刻まれた石板がはられています。　　

     
      石川啄木のよめる明治四十一年一月二十一日釧路駅で
　　　　
            　さいはての駅に下り立ち
　　　　　     雪あかり
　　　　　   さびしき町にあゆみ入りにき

　　　　　　　　　　　　　　　　　      小奴
}

釧路市内には啄木歌碑が27基あります。

歌碑の番号は「釧路市観光協会」の歌碑マップの番号です。
この歌碑は南町大通り2丁目「3.小奴碑」の手前にあります。


　　　　　北の海
　　　　　　鯨追ふ子等大いなる
　　　　　流氷来るを見ては喜ぶ

釧路新聞社跡から別名啄木通りとよばれている南大通を渡ったところに、小奴が旅館をやっていた場所があります。
ここには、啄木の歌３首を刻んだ小奴の碑があり、同名のバス停もあります。

　　　あはれかの国のはてにて　
　　　　酒のみき　
　　　かなしみの滓を啜るごとくに


　　　小奴といひし女の　
　　　　やはらかき　
　　　耳朶なども忘れがたかり


　　　舞へといへば立ちて舞ひにき　
　　　　おのづから　
　　　悪酒の酔ひにたふるるまでも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

港文館から、南大通方面100mの地点に、釧路新聞社跡があります。
現在はガソリンスタンドになっています。

　　　　十年まへに作りしといふ漢詩を
　　　　　酔へば唱へき
　　　　旅に老いし友
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

釧路信用金庫前の歩道に、この歌碑があります。


　　　　わが室に女泣きしを
　　　　　小説のなかの事かと
　　　　おもひ出づる日

釧路信用金庫前から、米町公園方面に進み、最初の交差点を右に曲がると左に釧路シーサイドホテルがあります。
啄木が下宿していたのがこのあたりで、シーサイドホテルの角に歌碑があります。

　　　こほりたるインクの罎を
　　　　火に翳し　
　　　涙ながれぬともしびの下　　　火に翳し　
　　　涙ながれぬともしびの下

小奴の碑から２００ｍくらい進んだ左手に「啄木ゆめ公園」があります。


　　　　さいはての駅に下り立ち
　　　　　雪あかり
　　　　さびしき町にあゆみ入りにき
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

知人岬の米町公園、灯台を模した展望台の近くに、昭和９年、啄木生誕５０年記念の大きな歌碑があります。


　　　　　　　しらしらと氷かがやき　
　　　　　　　　　千鳥なく　
　　　　　　釧路の海の冬の月かな